美容クリニックで処方する重症ニキビの治療薬

2021/02/26

美容クリニックで処方する重症ニキビの治療薬

当院には、ニキビ跡治療と同時にニキビ治療を希望される方も多くいらっしゃいます。

10代の頃だけでなく、大人になってからニキビに悩まされているという方は、少なくありません。

ニキビ治療薬は以前に比べ選択肢が多く増えてきました。

保険診療の薬剤でも、最近はピーリング効果や殺菌効果の高いにきびの外用剤が多く開発されてきています。ニキビでお悩みの方は、まずはお近くの皮膚科で薬剤を相談してみましょう。

しかしながら、保険診療のみの治療では、期待した効果の得られない患者さんもいらっしゃいます。日本では、海外では標準的な治療薬なのに、未だ承認されないものが数多くあります。

特に強いしこりがあるような重症のニキビの方や次から次へとニキビが発生し一般的治療では治療が困難な方を対象に、美容クリニックでは保険診療外の薬剤や機械治療をご提案しております。

今回は、美容クリニックで処方される「ニキビ治療薬」についてご紹介いたします。

  • スピロノラクトン(商品名:アルダクトン)

ニキビの原因として、ストレスや生理などでホルモンのバランスが崩れ、男性ホルモンの量が増えることで皮脂の分泌増加が考えられます。

このようなホルモンバランスが原因でできたニキビは、スピロノラクトンと呼ばれる男性ホルモンを抑えることで治療することが可能です。

ニキビ治療に対する国際的なガイドラインの中でも記載があります。

炎症のない白ニキビ、黒ニキビや炎症のある赤ニキビ、黒ニキビどちらにも飲み始めて1か月ほどで効果を発揮します。

効果が出てニキビの数が減ったら、3-4か月かけて徐々に飲む量を減らしていきます。

急に飲むのを止めるとリバウンドし、ニキビの数が増えるのでゆっくり量を減らすのがポイントとなります。

  • 服薬方法

はじめの2か月は4錠(朝・夕2錠ずつ)飲み、3か月目からは1錠ずつ減量していきます。※服薬量には個人差があります

  • このような方におすすめ

〇 顎やフェイスラインにニキビが出来やすい方

〇 背中やデコルテラインにできるニキビでお悩みの方

〇 特に生理前にニキビがひどくなる方

〇 環境の変化やストレスを感じた際にニキビがひどくなる方

  • 主な副作用

女性型乳房、乳房痛・腫れ、陰萎、多毛、月経不順、無月経、閉経後に性器出血、声が低音化、発疹、蕁麻疹、かゆみ、食欲不振、吐き気、口渇、下痢、便秘、けん怠感、動悸、発熱、そばかすなどが報告されています。

  • 注意点

カリウムを高め、血圧を下げる効果がありますので、高血圧や心臓病治療中の方には処方できません。

無月経が続く場合があります。生理不順を起こさずに治療をご希望される場合は、低用量ピルとの併用をおすすめしていますので、必ず医師にご相談ください。

実際にスピロノラクトンを使用した患者さんの写真です。生理前にニキビが増えて、一般的に処方される抗生剤やビタミン剤ではなかなか効果が見られなかったとのことです。

スピロノラクトンでニキビが大きく改善していますね!お肌が綺麗になるとメイクも楽しくなりますよね。

ニキビ治療

  • イソトレチノイン(商品名:ロアキュタン・アキュテイン)

ロアキュタンは、皮脂を作る皮脂腺を縮小させ、角化を抑制し、またアクネ菌に対する抗菌作用や抗炎症作用に優れているため、にきびを劇的に改善します。ニキビの原因であるアクネ菌の抗菌作用、抗炎症作用をもたらすだけでなく、皮脂の過剰分泌を抑えニキビの悪化を防ぎます。

1982年に日本の厚生労働省にあたるFDA(米国食品医薬品局)から認可を受けている治療薬で、重症なニキビ治療の切り札として国内では美容クリニック等で使用されています。

  • 服薬方法

1日2カプセルを食事中もしくは食後に服用していただきます。

治療期間は1クール(16週~24週)が目安ですが、治療継続となる場合は、最低でも8週間(2か月)以上の間隔を開けてから治療を再開いたします。

  • このような方におすすめ

〇 炎症を起こしている重度のニキビ

〇 凸凹している頬やアゴなどのニキビ

〇 これまで様々な治療薬を使用したが改善しなかったニキビ

  • 主な副作用

唇、口の中、鼻の粘膜、眼、皮膚の乾燥 敏感肌 手の平、足の平の皮むけ 肌のかゆみを伴う赤み 日焼けのしやすさ 爪の変形 鼻血 骨、関節、筋肉の痛み、動かしにくさ 疲れやすさ、吐き気、嘔吐 長く続く頭痛 視力障害 聴覚障害(聞こえにくさ、耳鳴り) みぞおちの辺りの強い痛み 血便、下痢 肌の強い赤み 幻覚、幻聴、うつ症状が方向されています。

  • 注意点

肝機能異常や高脂血症がまれな副作用として挙げられるため、治療開始前、治療中にも適宜採血を行います。

また、稀に吐き気や視力障害等の重度の副作用が現れる可能性もあります。

女性の場合、内服中は妊娠することができません。

これらの薬剤は、国内未承認医薬品を用いて施術を行います。

治療に用いる医薬品は医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。

ニキビと言ってもその種類や原因は様々です。医師の診察のもと適切な治療を行うことが改善への第一歩となります。

繰り返しできるニキビに諦めかけているという方も美容クリニックならではの治療を始めてみませんか。

患者さんひとりひとりに合った治療を、生活指導も含めて行っていますので、今までなかなか治らなかった方も是非当院へご相談ください。

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